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皆さんこんにちは!
石川県白山市を拠点に主に消防設備工事を行っている
株式会社消防設備研究所、更新担当の富山です。
目次
― 命を守る「最後の出口」を確保する ―
火災や地震などの緊急時に、建物内の人を安全に避難させるために設けられた設備を「避難設備」と呼びます。
非常口、避難はしご、救助袋、すべり台、避難階段などがその代表例です。
これらはすべて「消防法」に基づいて設置が義務づけられており、
建物の構造・高さ・用途に応じて、最も安全な避難ルートを確保するよう設計されています。
避難設備は、“火を消すため”ではなく、“命を逃がすため”の設備。
つまり、「もしものときに確実に命を守る」ための最終手段なのです。
建物内で最もよく目にする避難設備が「非常口」です。
緑色のピクトグラム(走る人のマーク)で表示されており、
火災時の煙の流れを考慮して最短・最安全ルートに設置されます。
通常時は施錠されていることもありますが、緊急時にはワンタッチで開放できる構造
夜間や停電時にも光る「蓄光標識」や「非常灯」と連動して誘導
非常口の確保は、避難行動の“起点”となる重要な部分です。
マンションやビルなど、高層建物では「避難はしご」が多く採用されています。
ベランダや窓際に設置され、火災発生時に下階へ安全に降りるための器具です。
格納式・吊り下げ式・固定式など、設置場所に応じてタイプが異なる
耐荷重や長さ、固定金具の強度が厳しく規定されており、消防設備士が点検を実施
使用時の安定性や収納時の安全性を保つため、定期的な確認が不可欠です。
主に学校や福祉施設など、多人数が一度に避難する必要がある建物に設置されます。
滑りながら短時間で安全に地上へ避難できる構造で、特に子どもや高齢者の利用を考慮した設計になっています。
高所恐怖症の方でも比較的安心して使用可能
火災時の煙や熱を避けながら、短時間で多数が脱出できる利点
布製の筒状避難器具で、上階から地上に向けて滑り降りる装置です。
ホテル・病院・商業施設などで広く使われています。
収納時はコンパクトだが、展開すれば人が連続で避難できる
内部は空気の流れで速度を調整し、安全に降下可能
建物の高さに応じた長さで製作されるオーダーメイド仕様も存在
この設備は“自力避難が難しい人も助ける”という目的があり、
消防訓練でも重要な体験項目として扱われています。
避難設備は「設置したら終わり」ではありません。
消防法では、年1回以上の機能点検と報告義務が定められています。
・避難はしごの腐食や変形の有無
・救助袋の破れ・収納ケースの劣化
・非常口の動作確認・標識灯の点灯
これらを定期的に確認することで、
“いざという時に使える”状態を維持します。
避難設備は、火災や災害時に人命を守る最後の砦です。
普段は目立たない存在ですが、
いざという時に確実に機能するよう、日々の点検が欠かせません。
🔹 「消火よりも避難を優先」
それが、命を守る消防工事の原点です。
次回もお楽しみに!
石川県白山市を拠点に主に消防設備工事を行っております。
お気軽にお問い合わせください。