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皆さんこんにちは!
石川県白山市を拠点に主に消防設備工事を行っている
株式会社消防設備研究所、更新担当の富山です。
― すぐ使える“初期消火の切り札” ―
火災をいち早く食い止めるための、最も身近な消防設備が「消火器」です。
オフィスや店舗、住宅、学校など、あらゆる建物に設置されています。
実は、消火器は“ただ置けばいい”わけではなく、
建物の用途・面積・構造に応じて設置本数や間隔が法律で定められているのです。
消火器には、消火対象となる「火の種類」によって複数のタイプがあります。
種類 | 対応する火災 | 主な設置場所 |
---|---|---|
粉末(ABC)消火器 | 木材・紙・油・電気火災すべてに対応 | オフィス・家庭・商業施設 |
強化液消火器 | 油・電気火災に強い | 厨房・駐車場・ガソリンスタンド |
CO₂(二酸化炭素)消火器 | 電気機器・サーバールームなど精密機器用 | 工場・病院・オフィス |
泡消火器 | 油火災に特化 | 倉庫・機械室・工場など |
火災の種類を誤ると逆効果になることもあり、
「どんな火に強いか」を示すラベルの色とマークが非常に重要です。
消防法施行規則では、建物の用途や面積に応じて、
消火器の設置本数・間隔・高さなどが細かく定められています。
1台で守れる範囲は150㎡以内が原則
すべての人が15m以内で消火器に手が届く配置
廊下や出入口など、すぐ手に取れる位置に設置
床面からの高さは1.5m以下が理想
また、階段の踊り場や厨房など、火の発生リスクが高い場所には追加設置が必要です。
消火器は長く使えるように見えても、内部の圧力や薬剤は年月とともに劣化します。
使用期限はおおむね10年(業務用)・5年(家庭用)
破損・腐食・圧力低下・ラベルの劣化は即交換対象
点検は**年2回以上(外観・機能確認)**が義務化
使用期限を過ぎた消火器は、逆に事故の原因となることもあるため、
リサイクルシールの貼付と適正処分が求められています。
1️⃣ 安全ピンを抜く
2️⃣ ホースを火元に向ける
3️⃣ レバーを強く握る
この3ステップが基本です。
ポイントは「炎の根元を狙うこと」。
煙に巻かれそうな場合は無理をせず、避難を最優先にしましょう。
消火器は“ただそこにあるだけ”では意味がありません。
実際の火災はわずか数十秒で燃え広がるため、
初期消火のタイミングを逃すと大きな被害に繋がります。
普段から
消火器の場所を確認
使い方を家族やスタッフで共有
点検日をチェック
この3つを意識するだけで、命を守る力が何倍にもなります。
消火器は、消防設備の中でも最前線で人の命を守る道具です。
建物の構造や用途に応じた正しい設置・点検を行うことで、
小さな火も大きな被害にせずに済みます。
🔹 “置いて安心”ではなく、“使って守る”。
消火器は、建物の安全と命をつなぐ最初の防衛ラインです。
次回もお楽しみに!
石川県白山市を拠点に主に消防設備工事を行っております。
お気軽にお問い合わせください。
皆さんこんにちは!
石川県白山市を拠点に主に消防設備工事を行っている
株式会社消防設備研究所、更新担当の富山です。
― 命を守る「最後の出口」を確保する ―
火災や地震などの緊急時に、建物内の人を安全に避難させるために設けられた設備を「避難設備」と呼びます。
非常口、避難はしご、救助袋、すべり台、避難階段などがその代表例です。
これらはすべて「消防法」に基づいて設置が義務づけられており、
建物の構造・高さ・用途に応じて、最も安全な避難ルートを確保するよう設計されています。
避難設備は、“火を消すため”ではなく、“命を逃がすため”の設備。
つまり、「もしものときに確実に命を守る」ための最終手段なのです。
建物内で最もよく目にする避難設備が「非常口」です。
緑色のピクトグラム(走る人のマーク)で表示されており、
火災時の煙の流れを考慮して最短・最安全ルートに設置されます。
通常時は施錠されていることもありますが、緊急時にはワンタッチで開放できる構造
夜間や停電時にも光る「蓄光標識」や「非常灯」と連動して誘導
非常口の確保は、避難行動の“起点”となる重要な部分です。
マンションやビルなど、高層建物では「避難はしご」が多く採用されています。
ベランダや窓際に設置され、火災発生時に下階へ安全に降りるための器具です。
格納式・吊り下げ式・固定式など、設置場所に応じてタイプが異なる
耐荷重や長さ、固定金具の強度が厳しく規定されており、消防設備士が点検を実施
使用時の安定性や収納時の安全性を保つため、定期的な確認が不可欠です。
主に学校や福祉施設など、多人数が一度に避難する必要がある建物に設置されます。
滑りながら短時間で安全に地上へ避難できる構造で、特に子どもや高齢者の利用を考慮した設計になっています。
高所恐怖症の方でも比較的安心して使用可能
火災時の煙や熱を避けながら、短時間で多数が脱出できる利点
布製の筒状避難器具で、上階から地上に向けて滑り降りる装置です。
ホテル・病院・商業施設などで広く使われています。
収納時はコンパクトだが、展開すれば人が連続で避難できる
内部は空気の流れで速度を調整し、安全に降下可能
建物の高さに応じた長さで製作されるオーダーメイド仕様も存在
この設備は“自力避難が難しい人も助ける”という目的があり、
消防訓練でも重要な体験項目として扱われています。
避難設備は「設置したら終わり」ではありません。
消防法では、年1回以上の機能点検と報告義務が定められています。
・避難はしごの腐食や変形の有無
・救助袋の破れ・収納ケースの劣化
・非常口の動作確認・標識灯の点灯
これらを定期的に確認することで、
“いざという時に使える”状態を維持します。
避難設備は、火災や災害時に人命を守る最後の砦です。
普段は目立たない存在ですが、
いざという時に確実に機能するよう、日々の点検が欠かせません。
🔹 「消火よりも避難を優先」
それが、命を守る消防工事の原点です。
次回もお楽しみに!
石川県白山市を拠点に主に消防設備工事を行っております。
お気軽にお問い合わせください。